2007年5月アーカイブ

こんにちは、akahigeです。

久々の林縁シリーズです。林縁(りんえん)とは森や林の縁(ふち)の部分のことを呼び、林道沿いに見られるような森林とそれ以外の開けた空間との境界部分のことです。暗い森のなかとは逆に日光が射しこみやすくとても明るい環境です。このような場所では、陽生植物と呼ばれるススキ、スミレ、ノボタン、チガヤ、マツ、ハンノキ、タンポポやキイチゴの仲間、アカメガシワ、コシダ(シダ植物)などが生え、時にはランの仲間も見られますよ。

そんな林縁に生きる植物のなかで、今回はツル性植物を紹介します。

←リュウキュウウマノスズクサの花

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
_______________________________________________

■ 和 名:リュウキュウウマノスズクサ(琉球馬鈴草)
■ 学名:Aristolochia liukiuensis Hatusima
■ 科 名:ウマノスズクサ科(同じ属にコウシュンウマノスズクサ、ウマノスズクサなど)
■ 分 布:琉球列島では奄美大島、徳之島、沖永良部島、沖縄島、宮古島、石垣島、西表島、与那国島など(琉球列島の固有種)
■ 生育環境:低地〜山地の山裾や林縁
■ 特 徴:常緑のツル性低木。高さ1〜2mの常緑低木。赤朱色の大きな花を咲かせる。開花時期は3〜6月頃。
■ トピック:
・ 学名については、属名はラテン語のarusto(最良)+lochia(出産)を意味し「曲がった花が胎児、基部のふくらみが子宮の形に似ることから、出産を助ける薬効があると考えられていたといわれる」。種小名はliukiuensis(琉球の)を意味し、おそらくこの植物が「琉球列島に産する」、または「琉球列島の固有種」であることに由来すると思われる。
・ 和名「ウマノスズクサ」の由来は、(説1)果実の形が馬の首にかける鈴に似る、(説2)葉の形が馬の顔に似て、かつ花の球形の部分が馬の首にかける鈴に似る、(説3)花の形が馬の首にかける鈴に似るなど、諸説がある。
・ 受粉の仕組みとしては花の香りで小型のハエなどを呼び寄せ、花の奧に閉じ込めて花が雄花になる(この花は雌性先熟:自家受粉を防ぐために雌しべが先に熟して→雄しべが熟する)と虫を脱出させる。脱出するときに虫に花粉が付き、別の花に入ったときに受粉するという仕組みである。
・ 琉球列島に生息するジャコウアゲハやベニモンアゲハなどの蝶の食草。
・ 以前は生薬として重宝されたが、最近はアルカロイド系のアリストロキア酸などの有毒性物質を含むことがわかり、利用されなくなってきている。
_______________________________________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



↑樹木に絡まり垂れ下がる茎葉
写真中央に花

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

↑左:花のヨコ側 右:果実

 

 

 

 

 

 

 

 

 


070523akahige08.jpg 070523akahige09.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

 

↑花の色形のバリエーション

〜 グロテスクな花ですね。
この花に訪れる虫にはどんな風に見えるのでしょうか?〜

|

 こんにちは、akahigeです。

("やんばる"とは、ここでは沖縄本島北部亜熱帯照葉樹林の意味。)

コケやシダ植物が生える湿った岩に、凜として咲いているスミレに逢いました。いつもの爽やかなせせらぎを奏でる穏やかな表情とは異なり、雨上がりの渓流は流れが強く険しい表情を見せていましたよ。スミレの花にレンズを向けながら、足下をすくわれそうでした。
時には、激流にうたれることもあるこのような厳しい環境で生きる渓流植物のたくましさを肌で感じました。

070515akahige01.jpg

←岩の隙間で花を咲かせるヤクシマスミレ(5月)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_______________________________________________

■ 和 名:ヤクシマスミレ(学名:Viola tashiroi Makino ssp.iwagawae(Makino) K.Nkajima)
■ 科 名:スミレ科(同じ属にオリヅルスミレ、リュウキュウコスミレ、アマミスミレなど)
■ 分 布:琉球列島では奄美大島、徳之島、沖縄島、その他の分布は屋久島。(沖縄島は分布域の南限)
■ 生育環境:山地林内の陰湿な林床、渓流の岩上
■ 特 徴:小型の多年生の草本。葉の大きさは0.4〜1.4cm、形は三角形から心臓形まで変化に富む。花は白く、淡紫色のすじ模様が入る。
■ トピック:
・ 学名については、属名はラテン古名のviola(スミレ)、種小名はtashiroi(日本人の植物学者 田代善太郎氏)より。
・ もともと自生地と個体数が限られ、ダムの建設や森林伐採で個体数が減少している。
・ スミレの花言葉は、「温順」、「謙虚」、「慎み深さ」、「愛」、「純潔」、「誠実」、「小さな幸せ」などです。
・ 本種は、学術的に同属のヤエヤマスミレ、イリオモテスミレ、イシガキスミレとよく似ており、連続した変異が有り区別しにくい場合があるといわれる。
・ スミレには2タイプの花が咲き、花が開く"開放花"と、逆に花が閉じたままの"閉鎖花"がある。開放花は他家受粉(異なる個体の花の間で受粉が行われる現象→より優良な子孫を後世に残す)、閉鎖花は自家受粉(同一個体の花粉によって受粉する現象→他家受粉が行われなかった場合の保険)を行い、これらは子孫を残すための巧妙な戦略と考えられている。
■ REDデータカテゴリー:絶滅危惧?B類(沖縄県版)
_______________________________________________

←花弁に美しい紫色のすじ模様が入る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

←雨上がりで流れの強い渓流

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

←ヒメハブにも逢いました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

|

こんにちは、akahigeです。

今回は、とても可愛らしいヒルガオ科の植物を紹介します。

070509akahige01.jpg

 

 

 

 

 

070509akahige02.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

↑海岸の原野に生育するアサガオガラクサ             ↑花のサイズは径3cmくらい

_______________________________________________

■ 和 名:アサガオガラクサ
 (学名:Evolvulus alsinoides (L.) L. var.decumbens (R. Br.)Ooststr.)
■ 科 名:ヒルガオ科(同じ属にマルバアサガオガラクサなど)
■ 分 布:琉球列島では沖縄島(自生地は極わずか)、伊是名島、宮古島、石垣島、西表島、その他の分布地域は台湾、南中国、東南アジア、マレーシア、ミクロネシア
■ 生育環境:海岸近くの原野
■ 特 徴:多年生草本。茎は地表をはって長くのび30〜60cmになり、葉とともに絹状の毛を密布する。花は青〜紫色で大きさは径8mmくらい。
■ トピック:
・ 学名については、属名はラテン語のEvolvulus(地をはって伸びていく)、種小名のalsinoides(alsineに似た)の意味。alsineはナデシコ科の植物の仲間であり、生育地の森(alsos)(森)の意味。
・ 巻き付く性質をもつヒルガオ科の植物の中で、このアサガオガラクサ属(Evolvulus)のものは巻き付かない。
・ 庭の花壇や吊り鉢などに使われる園芸種の"アメリカンブルー"と同じ属の植物。
・ "アメリカンブルー"の花言葉は、"清潔"。
_______________________________________________

 

070509akahige03.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

↑鮮やかな色彩の青い花には、なにか不思議な魅力を感じさせられます。

 

 

|