オオクサアジサイ 西表島に生きる植物19(沖縄の野生植物)

 こんにちはakahigeです。
 この植物には苦い経験があった。昨秋、花を撮影しようと蒸し風呂状態の亜熱帯林を探したが、見つけられずに悔しい思いをした。後にわかったことだが、本種が自生する支流から一本ずれていたのだ。地図上では距離200mの誤差だが起伏に富んだ山林ではその距離は倍以上にもなる。今回は、その時撮影行をともにした先輩方の情熱に後押しされ、再挑戦というわけだ。長い山道を歩き、深い沢から急斜面を薮こぎしながら登った。忽然と水の滴る岩壁が現れ、そこには水に濡れたオオクサアジサイの葉々が茂り、品のある小さな淡紅色の両性花と、しなやかな中性花が咲いていた。皆で分かち合った達成感と喜びは忘れられない。

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 ■ 和  名:オオクサアジサイ(大草紫陽花)
 ■ 学  名:Cardiandra alternifolia Sieb. et Zucc. subsp. mollendorffii (Hance) Hara et H.Ohba
 ■ 科  名:ユキノシタ科(同属で琉球列島の自生種はアマミクサアジサイ=本種とは中性花の
              有無で判別できる)
 ■ 分  布:琉球列島では西表島のみ。その他の地域では台湾、中国中部。
 ■ 生育環境:河川沿いの湿った崖
 ■ 特  徴:草丈が30〜60cmの多年草。茎は多少溝があり、上部に微毛を有する。
              葉は長楕円状披針形〜長卵状楕円形、長さ10〜18cmで先はとがる。無毛または
              粗毛を有する。頂生の円錐花序には淡紅色の花をつけ、中性花には花弁状の2〜3個
              の萼片がある。開花時期は9月〜10月頃(?)。
 ■ トピック:
       ○ 学名の意味は、属名Cardiandraは「cardic(心臓)+andros(葯)」より葯の形が心臓形で
          あること、種小名alternifoliaは「互生花の」より1本の花茎に多数の花をつけ次々に咲くこと、
          亜種名mollendorffiiは「植物採集家の名前moellendorff」にちなむ。
          なお、葯(やく)とは、雄しべの一部で花粉をつくる器官のこと。
       ○ 和名の由来は、「大(オオ)」は不明(=大型が由来だとしたらどの部位が大型なのか
          不明=調べ中)、クサアジサイは木本のアジサイとは異なり草本性であり、花・茎・姿が
          アジサイに似ることにちなむ。
       ○ もともと自生地と個体数が少ない
       ○ 西表島は国内で唯一の産地。温帯系の種で植物地理学上貴重である。
 ■ REDデータカテゴリ:絶滅危惧II類(沖縄県)、−(環境省)
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オオクサアジサイの草姿/西表島



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水の滴る岩壁に自生するオオクサアジサイ(左上)/西表島




<沖縄の野生植物 vol.115>



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