リュウキュウツチトリモチ 海辺に生きる植物9(沖縄の野生植物)

 こんにちは、akahigeです。
ぱっと見た感じはキノコに似るが、実は他の植物の根から栄養を吸収する寄生植物である。沖縄の海岸林では多く生育するクロヨナ、リュウキュウガキ、オオバギなどの根に寄生し、冬になるとキノコのような花穂が地上に出てくる。名前の由来は、「リュウキュウ=琉球列島に産する」、「ツチトリモチ=鳥もちの材料として根茎が使われる」ことにちなむ。沖縄県南部では、この妖しい色形が地元の子守唄に出てくる耳切坊主(泣く子の耳を切る恐い幽霊)に似ることから、「ミミキリボウズ」と呼ばれている。

110116akahige01-3.jpg______________________________________________

 ■ 和  名:リュウキュウツチトリモチ(琉球土鳥黐)
 ■ 学  名:Balanophora fungosa J.R. et G.Forst. (= B. kuroiwai Makino)
 ■ 科  名:ツチトリモチ科(同属で琉球列島の自生種はキイレツチトリモチ、ユワンツチトリモチ)
 ■ 分  布:琉球列島での分布は沖縄島、伊計島、久高島、宮古島、石垣島、竹富島、西表島、
              与那国島、尖閣諸島。琉球列島以外では台湾南部、フィリピン、ミクロネシア、セレベス、
              ニューギニア、オーストラリア北東部、メラネシアに分布。
 ■ 生育環境:海岸〜低地の自然林(クロヨナ、リュウキュウガキ、オオバギなどが生育する)の林床
 ■ 特  徴:草丈8〜15cmの多年生の寄生植物で雌雄同株。12月中旬〜1月頃に、根茎から花茎を
               1〜8個出す(開花時期)。鱗片葉はオレンジ色で、はじめは花茎に密着しているが、次第
              に反り返って開く。花穂は球形から短楕円体。雌花を密につけ、帯紅色、まれに赤味がか
              かったピンクを呈し、下部の縁には雄花が密につく。雄花は、花被が4裂して楕円形の花被
              片となり、次第に外側に反り返る。雌花は無数にあり、「小棍体(しょうこんたい)」と呼ばれる
              小さなぶつぶつの間に埋もれているので外側からは見えない。受粉後は茶褐色になり、次
              第に黒化する。
 ■ トピック:
       ○ 学名の意味は、属名Balanophorは「balano:ドングリ、亀の頭状」より花穂の形が亀の頭に
          似ること、種小名fungosa「茸状の」より種名ともに草姿がキノコの形に似ることにちなむ。
       ○名前の由来は、琉球列島に産し(リュウキュウ)、鳥もちの材料として根茎が使われる(ツチ
          トリモチ)ことにちなむ。
       ○ 沖縄は分布域の北限。
       ○自生地の開発の開発により個体数が減少してきている。
       ○沖縄本島のは全体がやや白っぽく、八重山諸島のは赤みかかっている。

 ■ REDデータカテゴリ:準絶滅危惧(沖縄県)、ー(環境省)
______________________________________________


110116akahige02.jpg
十字状に咲いているのはリュウキュウツチトリモチの雄花




<沖縄の野生植物 vol.119>





|

カテゴリ

,