コミノクロツグ 西表島に生きる植物21(沖縄県の野生植物)
こんにちは、akahigeです。
雨上がりの熱気と湿気の多い森へ入った。コミノクロツグが生育している場所の数十メートル手前から、独特の強烈な甘酸っぱい香りが漂ってきた。花の香りである。近寄って見ると結実もしており変種のクロツグより実が小形であった。文献によるとコミノクロツグが標準タイプで、クロツグは変種とされている。なぜだろうか、学術的に整理されたのがコミノクロツグは後だったのか、遺伝子による分類でそうなったか。八重山諸島では、昔、干ばつのときに行なわれた雨乞いの儀式でこの葉を用いた。水を入れた瓶を神司が取り囲んで、葉先に水を浸し、円陣の周りに水を撒きながら、謡い祈る祭祀などがあった。

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■ 和 名:コミノクロツグ(小実桄榔)
■ 学 名:Arenga tremula (Blanco) Becc.
■ 科 名:ヤシ科(同属で琉球列島の自生種はクロツグ)
■ 分 布:琉球列島では先島群島、魚釣島。その他の分布は台湾、フィリピン。
■ 生育環境:低地から山地の森林
■ 特 徴:樹高5〜7mの常緑低木。幹は直立し、黒色の粗い繊維質の毛に覆われている。葉は羽状複葉になり長さ3〜4m、小葉は長さ30〜50cmで多数つく。花は房状で黄色。核果(硬い殻のある果実)は球形で橙黄色に熟す。開花の時期は4〜6月頃。
■ トピック:
○ 学名の由来は、Arengaは「マレイの土名 arenga」、tremulaは「振動、動きやすい」にちなむと思われるが、詳細は不明。
○ 和名の由来は、「コミノ」は変種のクロツグに比べ実が小さいこと、「クロツグ」は、おそらく黒い繊維で覆われたシュロ(=ツグ)にちなむという説があるが定かではない。
○ 沖縄の方言名で「マーニ」、「マニン」とよばれ、八重山諸島では雨乞いの儀式のときに水を入れた瓶を神司が取り囲んで、クロツグの葉先に水を浸し周囲に水を撒き謡いながら祈る祭祀などがある。
○ ヤシ科のシュロ(棕櫚)の毛で作った縄やほうきを「シュロ縄」・「シュロほうき」というが、クロツグからも黒い繊維が採れ、シュロ縄と似た縄やほうきを作ることが出来る。繊維は数十年も使えるという。
■ REDデータ
カテゴリ:—(沖縄県)、—(環境省)
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コミノクロツグの実/クロツグに比べ小さい

コミノクロツグの花/芳香がある
<沖縄県の自生植物 Vol.123>

