沖縄県の自生植物の最近のブログ記事

 こんにちはakahigeです。
 日本に分布するアケビ科にはアケビ、ミツバアケビ、ムベの3種があり、いずれもつる性で実は秋冬に熟して甘く食べられる。これら3種は葉で区別でき、アケビは5小葉で掌状複葉(小葉:楕円形、全縁、葉先が丸い)、ミツバアケビのは3小葉で、縁に波状の鋸歯があり、さらに5小葉タイプは「ゴヨウアケビ」と呼ばれ、アケビとミツバアケビの交雑種とされている。ムベは5〜7小葉で掌状複葉(小葉:光沢のある濃緑色で革質、全縁、葉先が尖る)。

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 ■ 和  名:ムベ(郁子)
 ■ 別  名:トキワアケビ(常磐通草)
 ■ 学  名:Stauntonia hexaphylla (Thunb.) Decne.
 ■ 科  名:アケビ科(同属で琉球列島の自生種は無い。)
 ■ 分  布:琉球列島では奄美大島、徳之島、沖永良部島、沖縄島、石垣島、西表島。
        その他の分布は関東南部以南西、韓国、台湾、中国。
 ■ 生育環境:低地〜産地の林縁など
 ■ 特  徴:草丈30〜80cm程の半つる性の多年草。茎は根元から数本出て、斜上または下垂
        する。葉は対生し、卵状披針形で長さ4〜8cm程度、先は尖り、縁に鈍い細鋸歯
        がある。花は頂生し、花冠は鐘形で小さく、白色または淡紫色。液果は紫黒色に
        熟す。開花時期は10月〜1月頃。結実時期は5〜7月頃。
 ■ トピック:
       ○ 学名の意味は、属名Stauntoniaは「アイルランドの自然科学者 G.L.Staunton」、
         種小名hexaphyllaは「六葉の」より小葉の枚数にちなむ。
       ○ 和名の由来は、天智天皇時代にムベの果実を、大贄(おおにえ)として宮中に献
         上され、包且または苞蘂(おおむべ)と呼ばれていたことからといわれる。ちな
         みに大贄(おおにえ)とは朝廷または神への貢ぎ物として奉るその地方の産物。
       ○ 葉は幼木のときは3枚、その後5枚、実が成る頃には7枚に成るので「七五三の
         縁起木」と云われている。
       ○ 茎や根は野木瓜(やもっか)という生薬で利尿剤となる。


 ■ REDデータ
   カテゴリ:―(沖縄県)、―(環境省)
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ムベの結実
ほとんど鳥につつかれ食べられていた。残っていたのはこの実だけ。




100305akahige03.JPG果肉をまとった小さな黒い種子が多数/果肉は甘い果汁で満たされ美味



<沖縄県の野生植物 Vol.103>
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 こんにちはakahigeです。
 川岸や登山道沿いの多湿なところで見られる半つる生の草本。この時期、紫黒色に熟した可愛らしい実が沢山なる。生食でき甘酸っぱく爽やか。和名「タンゲブ」の語源は不明。

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 ■ 和  名:タンゲブ(漢字名不明)
 ■ 別  名:タイワンツルギキョウ(台湾蔓桔梗)
 ■ 学  名:Codonopsis lancifolia (L.) Petermann
 ■ 科  名:キキョウ科(同属で琉球列島の自生種はなし。)
 ■ 分  布:琉球列島では奄美大島、徳之島、沖縄島、渡嘉敷島、久米島、石垣島、西表島。
        その他の分布は種子島、台湾、南中国〜インド、マレーシア。
 ■ 生育環境:山地の林内
 ■ 特  徴:草丈30〜80cm程の半つる性の多年草。茎は根元から数本出て、斜上または下垂
        する。葉は対生し、卵状披針形で長さ4〜8cm程度、先は尖り、縁に鈍い細鋸歯
        がある。花は頂生し、花冠は鐘形で小さく、白色または淡紫色。液果は紫黒色に
        熟す。開花時期は10月〜1月頃。結実時期は12〜3月頃。
 ■ トピック:
       ○ 学名の意味は、属名Codonopsisは「Codon(鐘)+opsis(似る)」よ
         り花冠の形から、種小名lancifoliaは「被針形葉の」より葉の形にちなむ。
       ○ 和名の由来は不明。別名はタイワン「台湾産の」より、ツルギキョウ「つる性の
         桔梗」にちなむ。桔梗の由来は漢字の読み、「きちこう」が転じたもので、根が
         「桔(引きしまって)」かつ「梗直(まっすぐ)」であることより。この根を干し[
         たものは漢方薬として利用されている。
 ■ REDデータ
   カテゴリ:―(沖縄県)、―(環境省)
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タンゲブの花(右)と未熟な果実(左)/花はほんのり芳香がある





<沖縄県の野生植物 Vol.102>



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 こんにちは、akahigeです。
 夏の亜熱帯林は高温多湿の蒸し風呂状態でいつも苦しめられる。青紫色の花を咲かせる蓬莱紫蘇草(ホウライシソクサ)はそんな林内のオアシスのようであり、西表島に訪れるたびに癒され心惹かれる野草のひとつである。こんなに満開なのは今回が初めてで思わず撮影に熱が入ってしまった。帰路を急ぐ仲間の後ろ姿さえも見えなくなった。

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 ■ 和  名:ホウライシソクサ(蓬莱紫蘇草)
 ■ 学  名:Limnophila rugosa (Roth) Merr.
 ■ 科  名:ゴマノハグサ科
 ■ 分  布:琉球列島では宮古島、石垣島、西表島、与那国島。
        その他の分布は台湾、中国南部〜インド、マレーシア、ポリネシア。
 ■ 生育環境:渓流沿いや水田周りなどの湿地
 ■ 特  徴: 草丈30〜60cmの1年草。茎は分枝し匐枝を出して増える。葉は対生し
         長さ5〜7cm、楕円形〜卵形で鈍い鋸歯がある。花は葉腋に頭状花序につき、
         筒形唇形で青紫色。唇弁の基部は黄色になる。水面下の茎の節から多数のひげ根
         を出す。開花の時期は8〜10月頃。
 ■ トピック:
       ○ 学名の由来は、Limnophilaは「limno(沼)+phila(好む)」より湿地に生える
         特性、rugosaは「シワの多い」にちなむ。
       ○ 和名の由来は、ホウライはおそらく「中国の自生地 蓬莱山」、シソクサは 「草全体
          にシソに似た香があること」にちなむ。
       ○ 芳香がある。
       ○ 沖縄県は分布域の北限。
       ○ 同属で本種のような青紫色の花のタイプは日本にはない(白色が多い)。
 ■ REDデータ
   カテゴリ:―(沖縄県)、―(環境省)
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花/深みのある青紫色




<沖縄県の自生植物 Vol.101>



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 こんにちは、akahigeです。今回で「〜に生きる植物」シリーズは100回目を迎えました。今後も沖縄県の野生植物をできるかぎり多く紹介していきます。
 マツムラソウ(松村草)が自然のなかで逞しく生きているそのままの姿を撮ることを目的に、片道3時間を越える道のりを蒸し暑い西表島の樹林のなか、ひた歩いた。時間制限のある長い道のりでの撮影や山川歩きはあまり経験がなかった。歩き方、給水の配分、時間配分、山や撮影での集団行動のルール、植物写真を撮るための心得と機材、持参したバックパックの中身で不必要なものと必要だったものなど、自然からそして野生植物を愛する先輩方から学ぶことが多かった。この撮影行は一生忘れない。

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 ■ 和  名:マツムラソウ(松村草)
 ■ 学  名:Titanotrichum oldhami (Hemsl.) Soler.
 ■ 科  名:イワタバコ科(単型属)
 ■ 分  布:琉球列島では石垣島、西表島。その他の分布は台湾、中国南部。
 ■ 生育環境:自然林内の川沿いの水が滴る湿った崖面に着生
 ■ 特  徴:草丈15〜30cm程の常緑の多年草。全体に柔らかい粗毛がある。葉は対生し卵状
        長楕円形。花は黄色で、花冠の内面には赤い模様があり、総状花序を頂生する。
        開花の時期は6〜10月頃。
 ■ トピック:
       ○ 学名の由来は、Titanotrichumは「titanos(石灰、石膏)+trichum(毛)」より
         毛から石灰を分泌することにちなみ、oldhami は不明。
       ○ 和名の由来は、小石川植物園の初代園長であった植物学者の松村任三氏を記念
         して命名された。
       ○ 単型属(=マツムラソウ属は本種マツムラソウのただ一種から成る)をなす
         特異な種である。
       ○ 沖縄県は分布域の東限になり、日本で唯一の産地。
       ○ もともと自生地と個体数が少ないうえ、園芸用の採集により減少している。
 ■ REDデータ
   カテゴリ:絶滅危惧II類(沖縄県)、絶滅危惧II類(環境省)
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花/光沢のある黄色地に赤茶色の模様が入る




<沖縄県の野生植物 Vol.100>




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 こんにちは、akahigeです。
 真夏日和のこの時節、さらりさらり流れる小川のせせらぎを聞きながら、森を歩くのはとても心地良い。暑さで朦朧としていても、川の水の冷たさと美味しい空気で目が覚め頭も冴えてくる。ハシカンボクの桃色の小さな花々はもちろん可愛らしいが、葉の薄くやわらかい質感と青みがかった緑の色が涼を想わせなんとも清々しい気分になる。

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 ■ 和  名: ハシカンボク(波志干木)
 ■ 学  名:Bredia hirsta Bl.
 ■ 科  名:ノボタン科(同属で琉球列島の自生種はヤエヤマノボタン、コバノミヤマノボタン)
 ■ 分  布:琉球列島では奄美大島、徳之島、沖縄島、石垣島、西表島、与那国島。
              その他の分布は大隅半島南端、種子島、屋久島以南。
 ■ 生育環境:山地のやや湿った場所
 ■ 特  徴:樹高30〜100cm程の小高木。茎は直立し細かい毛を有する。葉は互性し卵状
       長楕円形で先端は尖り、5〜7本の葉脈が縦に入る。花は淡い桃〜紅色になり
       径1.5cm程で枝先に集散花序に集まって沢山咲く。開花時期は7月〜3月頃。
 ■ トピック:
       ○学名の意味は、属名Brediaは「オランダ植物学者のJ.G.S van Bred」より、種小名hirsta
         は 不明。
       ○ 和名の由来は不明。
 ■ REDデータ
   カテゴリ:―(沖縄県)、―(環境省)
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ハシカンボクの花/淡い桃色が美しい



090823akahige03.jpgハシカンボクが自生する渓流域





<沖縄県の自生植物 Vol.99>



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