2025.10.30 展示案内
貴重な戦前の首里城写真を展示中!「森政三(もり まさぞう)古写真展」

一般財団法人沖縄美ら島財団所蔵 「森政三コレクション」
現在、首里城公園では、一般財団法人沖縄美ら島財団が収集した「森政三コレクション」の中から、地図に関する画像を展示しています。
(場所:首里杜館 B1F ガイダンスホール)
森政三(もりまさぞう/1895 ~ 1981)は、1936(昭和11)年に、文部省技官として守礼門(旧国宝)の修理工事や、戦後焼失した「園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん)」「守礼門(しゅれいもん)」の復元に携わりました。
本コレクションは、森政三が所蔵していた首里城や沖縄の文化財及び県外の文化財建造物に関連する図面・写真・拓本・修理資料等の約300 点の資料群です。
2001(平成13)年に(一財)沖縄美ら島財団が収集しています。
① 首里城並圓覺寺辯才天堂附近ノ國賓指定参考資料繪圖(青写真)
(しゅりじょうならびにえんかくじべざいてんどうふきんのこくひんしていさんこうしりょうえず(あおじゃしん))
首里城及び周辺施設の絵図。「國賓指定参考資料」とあり、円覚寺等が国宝指定された1933(昭和8)年以後に作成されたものと考えられます。
② 首里古地図
紙焼写真として残されているものです。露光不足で絵図周囲の画像は不鮮明となっています。戦前に首里市役所にあった地図を撮影したものと思われます。
➂ 首里古地図(首里城部分写真)
「首里古地図」の首里城城郭周辺に絞って撮影した画像。御庭部分に「御城」の表記が見られ、唐破風が一間なのがわかります。基壇中央階段は八の字に広がっています。
➃ 円覚寺弁財天天堂絵図(えんかくじべざいてんてんどうえず)
絵図帳を撮影しており、円覚寺と弁財天堂が図示されています。上部中央の綴じ目に割り印が捺印されているので、前近代に王府で作製された記録の可能性があります。
➄ 玉御殿・大美御殿絵図(たまうどぅん・おおみうどぅんえず)
玉御殿と大美御殿が絵図帳の見開きで図示されています。玉陵は第二尚氏王統の王墓です。大美御殿は現在の首里高等学校の位置にあった御内原の別邸で、王家の冠婚葬祭等が行われていました。
➅ 崇元寺絵図(そうげんじえず)
絵図帳の見開きで崇元寺が図示されています。崇元寺は臨済宗の寺院で、中国から冊封使(さっぽうし)が訪れた際、先王を弔う儀礼「諭祭の儀(ゆさいのぎ)」を行った場所でした。