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2024.12.27 展示案内

令和6年度 首里城公園企画展「首里城のお正月」開催

令和6年度 首里城公園企画展「首里城のお正月展」

 琉球王国時代、お正月は一年の中でも盛大に儀式が執り行われる日でした。
 往時の首里城でのお正月について、関連する再現イベント画像も含めパネルでご紹介します。
 ※実物資料の展示はありません。

【期  間】2024年12月28日(土)~2025年2月7日(金)
      ※首里杜館開館時間 8:00~18:30
【場  所】首里杜館 B1F ガイダンスホール

首里城公園イベント「新春の宴」(※2019年以前/往時の儀式と違い、イベントの演出上、王妃も国王と並んで登場しました。)

 「首里城のお正月」
首里城公園では毎年1月1日~3日の期間に、琉球王国時代の正月儀式を再現したイベントとして「朝拝(ちょうはい)御規式(おきしき)」を開催していました。華やかな衣装を身にまとった国王と王妃が、正殿から高官たちが着座する御庭(うなー)へ登場し、観客と共に新春を迎える喜びを祝っていました。現在は首里城正殿を復元中のため、奉神門から下之御庭を中心に国王・王妃が出御するイベント等を行っています。

首里城公園イベント「新春の宴」(2024年)国王・王妃出御

 「琉球王国時代のお正月」

琉球王国時代、首里城のお正月は、1年の中でも盛大に儀式が執り行われる日でした。正殿二階外にはおめでたい()(れん)が掛けられ、楽器も展示されます。さらに色とりどりの旗で華やかに城内を飾っていました。

 年初めは早朝から大忙し
 当番になっている三司官(さんしかん)は早朝未明に登城し、さまざまな差配を行います。ほかの三司官や正月担当の奉行たちも、午前7時頃から続々と登城してきます。
 お清めのために、御庭(うなー)下之御(しちゃぬ)(うなー)に「よね(白砂)」を蒔きます。特に龍柱の周辺は重点的に行っていました。「子の御飾」として五方旗、鉢花五つを設置し、鉢には松を飾って儀式のための準備をします。また正殿の唐玻(からは)()には「御轎椅(うちゅうい)」を設置します。

御轎椅うちゅうい」(復元)

「御開印の儀式」 国の安泰を願い、文字にし、しるしをつける
 奉神門の開門に合わせ、楽(歌のない器楽のみ)の演奏がはじまります。演奏終了後には、「御開印(ごかいいん)の儀式」が行われます。年初に国の安泰を願いおめでたい文字等をしたためた吉書(きっしょ)に、印箱の鍵を開けて印鑑を取り出し、押印します。
 午前9時頃、国王は奥書院(おくしょいん)にて(とう)衣装(いしょう)に着替えます。王子以下儀式に参加する役人も朝衣・ハチマチ姿で登城してきます。

「御印箱(復元)」一般財団法人沖縄美ら島財団所蔵


「御吉書(復元)」一般財団法人沖縄美ら島財団所蔵


首里城公園イベント「新春の宴」御座楽の演奏(2019年以前)
 
子之方御拝(にぬふぁぬうぬふぇー)」 新年を寿ぎ平穏を祈念する
 新年を寿ぎ、平和・平穏を祈願する儀式です。「子之方」は方角で北を意味しており、北へ向かって国王をはじめ、王族、摂政や三司官らの高官、役人、庶民の代表までも参列し、国を挙げて行われます。厳粛な儀式のなか、心をひとつにして祈りを捧げます。
 儀式では、まず(がく)が演奏されます。三司官以下、役人たちは下之御庭(しちゃぬうなー)へ移動します。準備完了すると、(ほう)神門(しんもん)から御庭(うなー)へ入り、それぞれ御庭の床に敷かれた(せん)(がわら)を目安に着座。国王が正殿から出御し、焼香します。そして再び正殿へ戻っていきます。

首里城公園イベント「新春の宴」子之方御拝(2019年以前)

朝之御拝(ちょうぬうぬふぇー) 国王の聖寿を祝い、忠誠を誓うとともに王国の繁栄を祈る
この儀式は、年頭にあたりたくさんの人びとが国王の聖寿を祝い、琉球王国に繁栄を祈る儀式です。こちらも高官から庶民の代表までが参列し、儀式に参加するすべてのものが国王への忠誠を誓い、琉球王国の栄華を心から祈念するものでした。
儀式では、北殿側に設置していた旗や鉢、焼香台を正殿前に移動します。正殿二階の唐破風(からはふ)に国王が出御し、「朝之御拝」が執り行われます。王妃による焼香や役人たちの拝礼があり、三司官が焼香を行って、儀式が終了します。

首里城公園イベント「新春の宴」朝之御拝(2019年以前)

南風之(はえの)御殿(うどぅん)規式(きしき)」「美御前揃三御飾(ぬーめーうすりーみつおかざり)規式(きしき)
国王への感謝と国王と王子、王孫の繁栄を祈る
琉球王国時代貴重なお酒であった「泡盛」を国王と臣下が共に回し飲みを行う、正月ならではの特別な儀式です。
南風之御殿規式では、南風之御殿(南殿(なんでん))座敷に飾られている御飾からお酒が国王より家臣にふるまわれます。
続いて南風之御殿規式終了後、正殿下庫理(しちゃぐい)に移動して、御道具類を飾ります。そして御差床(うさすか)に国王が出御(しゅつぎょ)し、三司官や親方(うぇーかた)(しゅう)が国王より杯を賜り、回し飲みをする、「(おお)(とお)り」の儀式が行われます。
大通りは、国王をはじめ、諸臣が順々にお祝いの酒「泡盛」の杯を回し飲みし、国王が朝賀に出席して諸臣を祝福したことに感謝すると共に、国王と王子、王孫の繁栄を祈る儀式なのです。このような特別な儀式の時にしか、泡盛を口にすることはできなかったと言われています。
国王が退出した後に、王太子、王太孫と退出し、三司官、役人と退城していきます。


首里城公園イベント「新春の宴」大通り

国王と臣下で乾杯!!
~正殿御差床の正月祭祀道具~
首里城で行われる新春を祝う様々な儀式の中には、国王と臣下が飲食を共にする儀式があります。正殿1階の玉座「御差床(うさすか)」を中心に「三御飾御規式(みつおかざりおきしき)」という国王と家臣が新年を祝い、お酒を飲み交わす儀式が執り行われました。そこで使用されていたのが「首里城正殿三御飾(しゅりじょうせいでんみつおかざり)道具(どうぐ)」です。
このような祭祀道具は、幾つか存在していたようで、那覇市歴史博物館が所蔵する国宝尚家資料の「美御前御揃」が現代にも伝わっています。戦前に鎌倉芳太郎氏が撮影した古写真資料(沖縄県立芸術大学所蔵)の中に、尚家資料とは違う形態のお道具一式「中城御殿三御飾」を撮影したものもあります。
 一般財団法人沖縄美ら島財団では、2001(平成13)年度から「首里城正殿三御飾道具」の復元に取り組み、絵図資料の「三御飾御規式之時御座御飾之図」をもとに、尚家資料や鎌倉芳太郎氏の撮影した古写真を参考にし、さらに現存する類似資料の調査や試作を重ね、制作しています。

首里城正殿一階「御差床」


「首里城正殿三御飾道具:金杯、銀洗台、銀脚杯、御菓子盆、平卓(すべて復元)」
一般財団法人沖縄美ら島財団所蔵

 

【お問合せ】首里城公園管理センター 広報企画展示係 TEL 098-886-2279

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