植物園で見頃を迎えているこの花を紹介。
コウトウシラン属の園芸種です。コウトウシランの仲間は熱帯アジアに広く分布していて、日本では沖縄県の八重山諸島で確認されています。カトレアやコチョウ ランと異なり地面に生えているため、地植えにして楽しむことが出来ます。性質が丈夫で、草花感覚で栽培できるのが本種の魅力です。本土で馴染みの「シラ ン」と比べて耐寒性が劣るため沖縄以外では滅多に栽培されませんが、特に交配種の花色の鮮やかさと多様性では本属の方が優れています。積極的に利用していきたい植物ですが、近隣にコウトウシランの自生地がある場合は植栽に注意が必要です。園芸種が移出し、在来種の自生地を乗っ取ってしまったり、在来種と交配して雑種が出来てしまう(遺伝子汚染)可能性があります。コウトウシランは日本では分布が限られ、絶滅危惧種に指定されている植物でもあります。貴重な在来のコウトウシランを大切にしつつ、園芸を楽しみたいですね。
6月1日より、熱帯・亜熱帯都市緑化植物園では「野生ランパネル展」が開催されます。ナゴランやフウランといった馴染み深いランから、ソノハラトンボやタイワンエビネといった滅多に見ることが出来ない貴重なランまで、沖縄の自然に息づく貴重な野生ランの姿を魅力いっぱいに紹介します。
沖縄の貴重なランを見に是非来て下さい。