公職(こうしょく)としてのノロ

沖縄は古くから自然崇拝(すうはい)()(れい)崇拝(すうはい)信仰(しんこう)があり、その祭祀(さいし)を行うのは女性(じょせい)でした。集落の創始者(そうししゃ)家筋(いえすじ)とされる家が根屋【ニーヤ】(根所【ニードゥクル】)と()ばれ、そこから選ばれた女性(じょせい)・根神【ニーガン】が祭祀(さいし)をとりおこないました。複数(ふくすう)の村々を(へい)(ごう)した按司(あじ)()ばれる首長が活躍(かつやく)した時代も、祭祀(さいし)をとり行うのは女性(じょせい)で、主に按司(あじ)の妹がノロとしてそれに当たりました。第二(しょう)()王統(おうとう) 尚真(しょうしん)の時代、祭祀(さいし)をつかさどる神女(しょく)聞得大君(きこうおおきみ)のもとに組織(そしき)化され、各地のノロも王府により任命(にんめい)され、その統制(とうせい)下に入りました。

最高の神女で、国王の姉妹がつくことが多い。霊力(れいりょく)【セヂ】を持ち、王国を守護(しゅご)する役割(やくわり)(にな)う。

聞得大君(きこえおおきみ)に次ぐ中央の最高神女で、「首里(しゅり)の大あむしられ」、「真壁(まかん)の大あむしられ」、「儀保(じーぶ)の大あむしられ」の3人。

各地の高級神女で、「今帰仁(なきじん)阿応理屋恵(あおりやえ)」、「久米島(くめじま)君南風(きみはえ)」、「那覇(なは)の大あむ」など。三十三君(さんじゅうさんきみ)は実数ではなく、たくさんの意。

原則(げんそく)後任(こうにん)推薦(すいせん)するものであるが、世襲(せしゅう)となることが多い。