熱帯ドリームセンター

ハネフクベ

ハネフクベとは?

バニラ

 科名:ウリ科 学名:Alsomitra macrocarpa

 ハネフクベ(別名ヒョウタンカズラ)はマレーシア、インドネシア原産の大型のつる性植物です。和名は果実の見た目がカンピョウを作るユウガオの実(=地方名フクベ)に似ることに由来します。果実はサッカーボールよりやや小さめの直径約20㎝程の球形をしています。

飛行機の誕生に貢献した種子

バニラ ハナフクベ3

 ここで最も注目すべきは果実の中にある種子。世界最大の翼をもつ種子として知られており、幅13㎝~15㎝のブーメランのような翼をもった形をしています。1つの果実の中には数百枚の種子が納められており、果実の熱に伴い蓋が取れると中にあった種子は風に乗って四方に放出されるのです。

種子が風に乗って滑空する様子はまさにグライダー。実際にボヘミアに住んでいた織物製造業者のエトリッヒ父子はハネフクベの種子を研究し1906年にはグライダーを、1909年にはエンジン付きの飛行機を制作しています。当初安定性に欠けた機体に尾翼をつけた飛行機は1910年には飛行に成功し、その後第一次大戦初期の軍用機(主に偵察機)として利用されたようです。
 植物の種子は次世代に子孫を残す大切な使命をもっています。そのため種子は発芽の可能性を高めるため、なるべく広い範囲に運ばれる知恵を備えています。風に運ばれるもの、動物に食べられ糞として運ばれるもの、動物の体にくっついて運ばれるもの、海流に漂い運ばれるもの等、植物によってその方法が様々であり、その中でも風を最大限利用する形を備えたハネフクベの種子には自然が創りだした造形の神秘が感じられます。熱帯ドリームセンターでは令和4年8月に初めて雌雄両株の開花がみられ、人工受粉をして1つ結実しました。これが日本初の結実となります。