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琉球王国時代に首里城を彩り、王族や士族の生活を豊かにしていた美術工芸品には、さまざまな文様が取り入れられています。色鮮やかな花や植物、流れる水や雲等の自然現象と共に、生き生きとした動物の姿が表されています。身近にいた動物を描いた作品もあれば、伝説的な想像上の生き物を描いて、琉球王国時代の人びとの願いや祈りを表したものもあります。それらは現代のわたし達に、往時の人びとが動物に注いだ眼差しを伝えています。
沖縄の自然環境の中では、実に多種多様な鳥を見ることができます。鳥が空を飛んでいる姿は、今も昔も人びとにとって憧れや自由の象徴ではないでしょうか。紅型衣裳をはじめ、絵画や漆器等さまざまな調度品に、燕や鶴、水鳥等いろんな種類の鳥が描かれており、生き生きと飛び回る様を今に伝えています。










いくつもの実をつけるブドウと子どもをよく産むとされるリスの組合せは、おめでたい文様として、琉球では漆工芸品によく用いられています。首里城正殿内にある玉座の下の須弥壇にも描かれています。






猫はとても身近な動物です。家で飼われていたり、近所でなじみの猫がいることも少なくありません。一方で琉球王国時代に猫を描いた作品は、現代にも大事に伝えられているものがあります。琉球の人びとにとっても、共に暮らす身近な存在だったのではないでしょうか。


中国の故事によれば「虎はほえて風をよぶ」と、とても能力のある人が機会を得て奮起することを意味しており、中国では古くから、虎は龍とセットでとても力のある生き物として神聖視されてきました。虎は風、龍は鳴いて雲を起こすとされ、その組合せが王と臣下の関係にも例えられ、東アジアの地域において画題として好まれたところもあるようです。




鳳凰は中国では古くから、麒麟・霊亀・龍とともに四霊(四瑞)の一つとされ、崇められてきました。雌雄二羽で描かれることから夫婦和合のシンボルともされています。鳳凰は「平和の象徴」でもあり、国王を象徴する文様として、王家の使用する祭祀道具をはじめ、漆器や紅型衣裳等に用いられています。











琉球では、14・15世紀の中国との交流が盛んだったころにもたらされたとも考えられている獅子。「シーサー」とも呼ばれ、沖縄には石製・陶製の獅子像があります。古い石製の獅子は、沖縄本島中部や南部の古い集落の境界などで、病気や火事などのあらゆる災いごとをはね返す魔除けとして置くところがあります。

権力を持つものの象徴として描かれてきた龍は、国王の身の回りの調度品や首里城の中にも数多く見られます。たとえば徳のある国王を龍に見立て、王を慕ってやってくる家臣たちを瑞雲(めでたい雲)に見立てたデザインは、古くから東アジアで好まれました。また、龍は水中にすみ、時に空に昇って雲を起こし、雷雨をもたらす神聖な動物とされ、大蛇に似て、全身が鱗で覆われ、角や長い口ひげがあるのが特徴です。旱続きの大地に雷雨をもたらす龍は富の象徴であり、そのように国土に恵をあたえ富ます龍は、良き国の統治者であるあかしでもあるのです。




中国の伝説上の黄帝が白沢と出会い、万物の知識を授かり、鬼やわざわいを取り除く術を『白沢図』という書物にまとめたことがはじまりとされています。白澤は万物の情報に通じ、人のことばを理解し、災いを取り除くことができる神獣として知られており、その白澤を描いた図「辟邪絵」を持っていれば災いを避けることができると信じられていました。そのためさまざまに描かれた「白澤」の図が存在しています。
