皆さん、今回は「御後絵(おごえ)」についてご紹介します。
御後絵とは、国王が亡くなった後に描かれる肖像画のことです。
首里城公園南殿2階へあがると、右側の壁に国王の肖像画が掛けられているのを
目にしたことがあるかと思います。
残念ながらオリジナルは沖縄戦で焼失し、
現存する10枚の国王のモノクロ写真が南殿に掛けられていますが、
本来はカラーでサイズも南殿に掛けられているものより大きく、
縦・横とも1m50cm位のすごく大きな絵画だったんです。
この中の1枚、第18代尚育王の御後絵が、
このたび首里城公園友の会の特別事業で5年の歳月をかけ3月に完成しました。
完成を受けて、模写を担当した東京芸術大学より友の会へ納品され、
その場で友の会より首里城公園を運営する(財)海洋博覧会記念公園管理財団へ贈呈されました。
この御後絵は、これから軸装に仕立てられ、黄金御殿(くがにうどぅん)の完成を待ち、
来年か再来年には皆様にお披露目できることでしょう。
圧巻の御後絵をぜひご期待くださいね。
※贈呈式の写真はモノクロで掲載していますが、カラーの写真は講演会でのお楽しみに。
御後絵の納品式
(友の会前田会長より海洋博覧会記念公園管理財団花城常務理事へ)
御後絵復元模写完成に至るまでには、
東京文化財研究所による尚育王が描かれた時代の絵画の理化学調査(顔料分析等)や
東京芸術大学での色彩の検討、模写作業が行われました。
来る6月9日(土)には、御後絵復元に携わった東京文化財研究所の吉田直人氏と
東京芸術大学の鴈野佳世子氏をお招きし、講演会を開催いたします。
この講演会はどなたでも参加できますので、興味のある方はぜひ足をお運び下さい。
Tomokai