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正殿の正面、向拝部を飾る様々な彫刻物が搬入されました。「唐破風妻飾」は鎌倉古写真を参考にしながら木取りや彫刻作業を富山県の工房で行いました。向拝奥の彫刻物はフランス海軍古写真の分析により、「獅子」は平成復元時より約1.3倍大きく、「牡丹に獅子・唐草」は牡丹の数が増え(1つ→3つ)、獅子が一対追加されました。(首里城復興基金を活用)
首里城を象徴する「赤」の塗装が始まりました。古文書には、首里城修理において久志間切(現在の名護市久志周辺)へ塗装顔料の調達を指示した記述が残っています。平成復元時は顔料の詳細が不明でしたが、その後の研究によって、水中の鉄バクテリア由来の水から生成される天然顔料である可能性が高いことが分かりました。令和の復元ではこの天然顔料「久志間切弁柄」を使い、正殿の赤がよみがえります。
向拝奥の柱に設置される金龍は、腕を高く突き出しており躍動感にあふれた姿をしています。令和の復元では、沖縄県立芸術大学が学識者の監修を受けながらクスノキを用いて製作しました。(首里城復興基金を活用)
正殿正面の向拝部に設置される欄間には、牡丹唐草と獅子の文様が施されています。令和の復元では、鎌倉古写真の高精細画像等を参考にして沖縄県立芸術大学が製作しました。(首里城復興基金を活用)
令和6年度の首里城復興祭は、工事中の正殿を間近で見学できる「復興特別見学ツアー」の参加者は、着々と進む正殿復元の姿に見入っておられました。
二階御差床に設置される、高欄と一体になった阿吽一対の龍柱『御差床龍柱』と、珠取双龍雲文(阿吽の龍の文様)が彫刻された『内法額木』が完成しました。どちらも国産ヒノキが使われています。(首里城復興基金を活用)
国王が着座する二階御差床の須弥壇に用いられる板状の『羽目板』には、琉球漆器などにもよく見られる葡萄・栗鼠文様の彫刻があります。令和の復元では、沖縄県立芸術大学が下絵から製作まで作業をし、正面6枚、左右各3枚の計12枚が製作されました。(首里城復興基金を活用)
正殿の屋根に葺かれる赤瓦は、多くの方からいただいた寄附金を活用し、沖縄県産の材料で作られました。材料の中には、ボランティアの皆さんに製作いただいた『シャモット(焼失した正殿の瓦を砕いたもの)』も含まれています。約6万枚の赤瓦が、正殿の屋根を彩っていきます。(首里城復興基金を活用)
多くの方からの寄附金を基に沖縄県が制作した「懸魚」の彫刻が完成しました。棟木の先端を隠すための装飾で、正殿正面の唐破風と、上層北・南側の入母屋破風に設置されます。今回の復元では、福井県の彫刻師が約3ヵ月かけて制作しました。(首里城復興基金を活用)
建方工事の開始から約9ヵ月、ついに屋根廻りの組立が終わり正殿の形が見えてきました。宮大工の技術が結集した軒先の美しさが見どころです。今後は瓦葺きや漆塗装の作業が始まり、白い正殿が少しずつ色付いていく様子が見られます。
上棟のタイミングに合わせて、「白木のまま」の正殿を間近で見学できる記念イベントを開催しました。下之御庭で開催した瓦関係の体験イベントも合わせて、約6,500人の方に楽しんでいただきました。
正殿の顔ともいえる「唐破風」の部材が取り付けられました。この美しい曲線は、宮大工が何度も原寸図を描き直して再現しています。
復元工事が進む中、人気の宮大工体験を始め、ベンチ仕上体験・弁柄塗り体験のイベントを実施しました。弁柄塗り体験では再建に使われた木材の端材を活用し、復興に想いを寄せながら楽しんでいただきました。
屋根を支える部材の一つ「垂木」ですが、正殿の上層屋根は「扇垂木(おうぎだるき)」と呼ばれる技法が使われています。一本一本異なる角度に加工し据え付ける必要があるため難しく手間のかかる技法ですが、美しい広がりを感じることができます。
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