首里杜館B1のビジターロビーにて、『塚本文雄(章雄)写真展~1960年 首里・沖縄を歩いて~』を10月21日まで開催しています。7月16日に、スタートした写真展でしたが、残念ながら緊急事態宣言のため、首里杜館が閉館になりわずか5日間だけの開催となったため、延長して再開することになりました。
東京で広告代理店のカメラマンとして働いていた塚本文雄氏は、1960年に初めて沖縄を訪れています。東京から飛行機に乗れば2時間半で着く今とは違い、当時は電車を乗り継ぎ、鹿児島から船に乗り換えて、トータルで48時間もかかる長旅でした。そんな塚本氏の目にうつった沖縄は、どのようなものだったのでしょうか。
展示では、首里城周辺の写真を12点パネルにし、那覇や宜野湾、金武、今帰仁といった沖縄各地で撮影された写真は、大型モニターを使って紹介しています。首里城周辺は、当時復元されたばかりの守礼門や1950年に首里城跡地に開学していた琉球大学、龍潭のほとりで遊ぶ子どもたち、金城町の石畳等が写されています。沖縄各地の写真では、活気あふれる那覇の市場の様子や壺屋での作陶風景、金武の共同水洗場で洗濯をする人びと、平和祈念像を制作中の山田真山氏等、1960年の沖縄の風景、人びとの姿を生き生きと捉えています。
『アカギの大木』の写真では、天に向かって高く伸びる「アカギの木」の下を男性が歩いていて、その遠くに守礼門も見えています。新しい時代へと向かう1960年を印象付ける写真ですが、今も久慶門近くでこのアカギの姿を見ることはできます。
60年以上前の沖縄。今とは姿の変わった場所もありますが、現在でもその面影を見つけられるところもあります。写真に残された1960年の沖縄に会いにいらしてみませんか。