そろそろ沖縄でも少しずつ涼しくなってきていますね。中秋の月も見られ、秋の気配が感じられる今日この頃ですが、9月23日は秋分の日です。秋分の日の前日に、夏至の際にもご紹介した日影台の角度を変更しました。琉球王国時代、時間を計測していた日影台(にちえいだい)(日時計)。往時には、二十四節気(にじゅうしせっき)に基づいて角度を変更していたと言われていますが、現在首里城公園では春分・夏至・秋分・冬至と年に4回変えています。
琉球王国時代、日影台にも近い漏刻門(ろうこくもん)に設置されていた水時計で時間を計測していましたが、それを補助するために日影台が1739年に設置されました。大臣クラスの三司官(さんしかん)であった蔡温(さいおん)が一年半かけて毎日計測を行い、正確なものにしたといわれています。
日影台は真ん中の棒の影が十二支で区切られた時刻盤に映され、時刻がわかるようになっています。琉球王国時代、この場所で計られた時刻は、旗や太鼓、鐘等を使って、首里城郭内外へと知らされていました。
琉球王国時代とほぼ同じ場所に設置されている日影台ですが、今でも正確に時刻を示しています。日本の標準時は東経135度の子午線が通る兵庫県明石市ですが、そこと沖縄では経度が異なるため、時差が存在します。なので日影台で午の刻(うまのこく)、12時をさしていても、デジタル時計等では12時27分~29分になっています。
こちらは今年の7月7日に撮影したものです。(あいにく、今日9月23日の正午は雨が降ったため、こちらを掲載します。)デジタル時計では12:28を表示していますが、日影台では「午の刻(うまのこく)」“正に正午”をさしていますね。
今回は夏至の64度から秋分の角度45度の角度台に変更しています。現在は緊急事態宣言が出ていることもあり解説会は中止になりましたが、近くでご覧いただくことは可能です。天気が良ければ、12:27~29頃「午の刻」に影がかかるところを目にしていただけるかと思います。YouTubeでもご紹介していますので、ぜひそちらもご覧下さい。
https://youtu.be/8NKRmqT8wts (4分27秒)
☆日影台の角度台を変更する(2021年9月22日に行いました)
時刻盤がのっているのは、夏至の64度の角度台。手前にあるのは、秋分の季節に合わせて変更する45度の角度台。
台座に固定しているボルトを外しているところ。日影台のある場所は、首里城公園内でも見晴らしのよい場所の一つです。
時刻盤を外して一旦脇におきます。結構重さがあるので、2人がかりで慎重に行います。
外していた時刻盤の中央に棒をさしたら、変更終了です。
無事に交換が終了し、未の刻(午後2時)を少し過ぎたところをさしています。
こちらは今年の7月7日に撮影したものです。