ホーム > 首里城復興へのあゆみ > 首里城2026年マチカンティー > 若手職人インタビュー #15


―現在のお仕事に就いた経緯を教えてください。
高校では造園科に通っていて、樹木の栽培管理や造園の設計などを中心に学んでいました。就職先を探す際、学校に今の会社から募集がありまして、それまで石の加工というのをあまり聞いたことがなかったのですが、少し興味が湧いて、やってみたいと応募して入社させていただきました。同じ高校の同級生ももう一人入社していて、彼はこちらの加工場ではなく首里城の現場の方で働いています。

―現在、担当されている作業を教えてください。
首里城正殿の正面階段の欄干にあたる「高欄(こうらん)」の羽目板(はめいた)と、親柱、獅子柱の加工を行っています。一枚の板状の石材を大型機械で大まかに切った後、サンダーという機械で細部を削っていく作業です。
意匠の部分は過去の資料や写真から作られた型をクリアファイルに写し取って、穴を開けて点を打ち、その点と点を結んで線を引いてから加工を行います。
羽目板の側面には「小たたきハンマー」という道具で表面を叩いて傷を付けるという、伝統的な技法で模様を付けています。このハンマーはもともとブロックを割るための道具なので、使いやすいように自分で削って加工しています。

与那国砂岩(よなぐにさがん)という与那国で採れた石を使っているのですが、同じ種類の石でも場所によって硬さが異なり、比較的やわらかい部分と硬い部分があるため、硬い部分に関しては強めに叩いたり何回も研ぎ直しながら作業しないといけません。その力加減の調整が難しいところです。
一枚を削るのにだいたい6時間、表裏だと一日半ぐらいかかるので、作業が終わったときはやっぱりものすごく手が疲れますね。でも今のところ1枚も失敗せずに仕上げることができて、ほっとしています。

―親柱、獅子柱というのはどういったものでしょうか?
親柱と獅子柱も羽目板と同じく正殿正面階段の欄干の部材です。部分部分で他の方の手が入る場合もありますが、獅子の彫刻まで基本的にすべて自分が担当しています。

これまで彫刻をやったことがなかったので、今回が初めての取り組みでした。2週間ぐらい練習した後すぐ本番用の柱に取り組んだので、最初はけっこう緊張しましたね。過去の資料や写真をもとに作られた「原型」を横に置き、それを見ながら再現していくのですが、顔の向きや形などが少しずつ違うので、そこが特に難しかったです。
完成した柱はコンテナで首里城に運んで、現地で微調整と設置作業を行う予定です。
―首里城の火災について知った時は、どのように思われましたか?
高校生の時だったんですが、実は一度も首里城に行ったことがなかったんです。なので思い出みたいなものはないんですが、それでも残念だなという気持ちはありました。
―ご自身が首里城の工事に携わることになって、どのように思われましたか?
最初は自分なんかができるのかな、やっていいのかな、と不安だったんですけど、実際に手を動かしていくうちに周りの応援もあって少しずつ自信がついてきて、そこからは楽しく感じるようになりました。職場の先輩たちもとても優しくて、いつも丁寧に教えてくださっています。

―仕事をするなかで難しいと感じるのはどういった部分ですか?
石なので、もし割れたり欠けたりしたらやり直しが効きません。ある程度はやり直しできるよう最初に少し大きめに削ってはいるんですが、やはり失敗できないという緊張感をいつも持っています。
あと、ある程度の大きさまでは自分で石を運ぶので、腰を痛めないようにも気をつけています。

―最後に、復元される首里城に対する思いをお聞かせいただけますか?
自分が作ったものが実際に使われているという嬉しい気持ちはあります。でも「自分が作ったよ!」なんていうのは、ちょっと照れくさくてあまり人には言わないかもしれません(笑)
これからも、以前のような美しい首里城が復元されるようにという気持ちで、目の前の仕事を一つひとつ丁寧に取り組んでいきたいと思います。

取材日:2025年12月9日
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